テーマは『鹿又は猪の絶品創作料理』 – 「SDGsな食」ジビエの消費拡大を通じたサステナブルフードの開発
MHM 2022 BEST CHEF 料理コンクール ⇒ エントリーメニュー
審査がはじまり、まずは調理場(洋食厨房・和食厨房)へ。
ホテルの調理場に入るのは初めて。エレーベーターで地下の調理場へ移動。
広い調理場!さすが大人数分の調理を行うこともあり調理器具、調理器機、調理台、材料棚等々が整然と置かれている。調理する人の動きにも無駄が無く惚れ惚れする。
実際に触れて使ってみたいような器機もたくさんある。
その様子を見ていると、旅先のホテルで提供される料理はこうして作られているんだな~と改めて感心させられる。
プロの技をずーっと見ていたいのは山々だが、時間に限りがあるため二つ(洋食、和食)の厨房を足早に回り会場へ戻る。
いよいよ、次は、料理審査です。
準備が整うまで少し時間があるが、なんだかワクワクしてくる。
他の審査員方々とエントリーシートを眺めながら、料理の素材や調理法について、ああでもないこうでもないと盛り上がる。
どんな料理が現れるのか!
その時が待ち遠しい。
改めて審査項目をおさらいしておこう。
- スペシャリティ感
- 印象
- 味付け
- 提供方法
- 素材
- 調理法
- 全体感
エントリーメニュー
エントリーNo.1
北海道エリア代表 マイステイズプレミア札幌パーク 加藤さん
蝦夷鹿ロース肉のオスとメスの2種類スタイル ショコラ・サ・レのアクセント 赤ワインとアロニアのソース 百合根と蕪のピュレ添え
すっきりとした盛りつけのこのひと皿には「前菜からデザートまで」コース料理のすべてが詰まっている。
手前のロール状に巻かれた料理はメスの鹿肉を使い冷製仕立てにしてある。パサつき感のあるメスの鹿肉を美味しく食べられるように工夫が凝らされている。
肉はひと晩、真空マリネされしっとりと仕上げられている。その肉をスライスし野菜と一緒に巻き百合根と蕪のピュレが添えられている。
奥の四角にカットされた肉はオスのシカ肉を使い温製に仕立てられている。メスの肉質と比べて硬いオス肉をいかに柔らかく仕上げるかがポイントで、低温のオーブンでじっくりと火入れがされている。そこにアロニア(北米産のベリーで日本では北海道が一大産地、アントシアニンが豊富であるが渋味が強いので加工に手間がかかる)のソースを添えている。
私見
メス肉の料理は上に乗せたクルミが良いアクセントで百合根と蕪のピュレと良く合い私の好きな味だ。オス肉の料理は食べ応えがあり野性味が感じられ、きっと赤ワインとの相性も良いだろう。雄雌の肉質の違い・味の違いを感じ取ることができ、鹿肉をはじめて口にする人にとって良い料理だと思う。
印象として、すっきりと洗練された感がある一方、最初にテーブルにサーブされたときの驚きが少なかった。メインディッシュとしてよりも前菜として、鹿肉の肉質の違いや味の違いをひと口で食べ比べられる料理に感じてしまった。私はメインディッシュにはインパクトが欲しいと思うタイプである。
このコンクールで最初に食べる料理であり、これが基準となってくる。
難しい審査になりそうな予感がする。